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本能と、疲れ方・回復

疲れは盲点にたまり、優勢の本能で回復する
忙しい時期が続いたあと、ある日まとめて寝込む。人と会う予定を詰めたあと、気づくと連絡を何日も返していない。暮らしも仕事も回っているのに、なぜか毎日がだるい。疲れ方と、そこからの戻り方は、人によって違います。本能のサブタイプ(自己保存・社会・融合)は、人付き合いのほかに、どこに疲れがたまり、何で回復するかにも出ます。この記事では、本能ごとの疲れ方と回復の仕方を、盲点に疲れがたまる、という見方で見ていきます。人付き合いの中での本能の出方は、「みんなといるときと別人」と言われる理由にまとめています。

前提:疲れは、盲点にたまる

三つの本能は、並びで持っています。優勢の本能には、放っておいても時間と注意が向きます。盲点の本能は、時間も注意も体力も、あまり割いてこなかったところです。

使える時間と体力は限られているので、どこかに多く使えば、どこかが薄くなります。疲れは、たいてい薄くなっているところにたまります。しかも盲点は、本人には見えにくい。たまっていることに気づかないまま進み、ある日まとめて出ます。

回復の仕方も、本能で違います。優勢の本能が満たされると、回復しやすい。弱ったときに、いつものやり方に戻るのは、後退ではありません。慣れたやり方は、その人がいちばん回復しやすいやり方です。

本能優勢のとき、疲れやすいこと優勢のとき、回復しやすいこと盲点のとき、たまりやすいもの
自己保存急な予定の変更、慣れない場所、暮らしのペースを乱されること家で休む、よく眠る、いつもの流れに戻る睡眠、食事、体力の残り
社会場の空気を読み続けること、役割を引き受けすぎること役割を持たずに加われる場にいる。気の置けない仲間の集まりなど人とのつながり、困ったときに頼れる相手
融合浅い会話が続く場、熱を向ける先がない時間深く話せる一人と過ごす、夢中になれることに入り込む本音で話す時間、夢中になれるもの

以下、とくに気づきにくい盲点から見ていきます。

自己保存が盲点のとき:あとでまとめて倒れる

締め切りが近い週、夕飯を抜いて作業を続ける。寝る時間を削って、人との約束や、夢中になっているテーマを先に片づける。「落ち着いたら休もう」と思っていますが、落ち着く日はなかなか来ません。

自己保存が盲点の人は、体と暮らしに注意が向きにくい状態です。中身を分けて見ると、疲れのたまり方がよく分かります。

人付き合いでも同じことが起きます。人付き合いにどれだけの時間と体力を使うか、どこで「今日はここまで」と線を引くか。自己保存が盲点の人は、この線を引きにくい。知り合いを広げることにも、一人と深く付き合うことにも使いすぎて、あとでまとめて疲れが出ます。

周りから「休んだほうがいいよ」と言われても、本人はそれほど疲れていないと感じています。言われて聞き流していたのに、ある日の朝、起き上がれなくなる。そこで初めて、ずっと無理をしていたと気づきます。

盲点の三つが、同じように手薄とは限りません。蓄えには抜かりがないのに、寝不足のまま働いている人もいます。お金の残りは毎日見ているのに、自分の体調はほとんど見ていない。自分ではきちんとしているつもりなので、なおさら気づきにくくなります。

回復するには

自己保存が盲点の人にも、回復の仕方はあります。困るのは、回復する前に、減っていることに気づけないことです。「休む」は自分からは思いつきにくく、疲れを感じてから休もうとすると、たいてい間に合いません。気づく役を、外の仕組みに任せます。

自己保存が優勢のとき:疲れる前に減らす

自己保存が優勢の人は、疲れの限界が来る前に、予定を削り始めることが多いです。二次会には行かずに帰る。週末の予定を一つ減らす。家に帰って、いつもの時間に寝る。体と暮らしを守ることを、意識しなくてもしています。残りが少なくなっていることに気づいて、使いすぎる前に止める。自己保存には、この働きも入っています。

疲れやすいのは、人そのものより、暮らしのペースを乱されることです。急な予定の変更、慣れない場所での泊まりがけ、食事の時間がずれ込む日。こうした日が続くと、相手のことが嫌いになったわけではないのに、会うのが重くなります。

囚われが出ていると、減らしすぎることがあります。暮らしは整っているのに、気づくと、しばらく人と会っていない。困ったときに頼れる相手が少なくなっている。社会や融合が盲点の人ほど、この形になりやすくなります。

社会が盲点のとき:知らないうちに、輪から離れている

社会が盲点の人は、自分では疲れているとは感じていないことが多いです。体の疲れより先に、人とのつながりが少しずつ薄くなっていきます。

集まりの返事を後回しにする。年に一度の連絡をやめる。異動や引っ越しのあと、前の職場や地域の人と連絡を取らなくなる。一つひとつは小さなことですが、重なると、困ったときに相談できる人が思い浮かばなくなります。仕事で必要な情報が回ってこなくなって、そこで初めて気づくこともあります。

回復するには

大きな集まりに出直す必要はありません。止まっている連絡を一つ返す。前の職場の一人に、近況を一行送る。つながりは、小さい単位から戻せます。

社会が優勢のとき:場で疲れて、場で回復する

社会が優勢の人は、人といるあいだ、場を読むことに注意を使い続けやすくなります。誰が話していないか、誰が不機嫌か、話がどちらへ流れているか。会議や飲み会が終わったあと、どっと疲れが出ます。

囚われが出ていると、役割を引き受けすぎます。幹事も、まとめ役も、相談役も。場のためにしていることと、自分がしたいことの区別がつかなくなり、何に疲れているのかも分からなくなります。

一人で家にいても、頭の中では場のことを考えていて、休んだ感じがしないことがあります。役割を持たずに参加できる、気の置けない仲間との場のほうが、回復しやすい人もいます。疲れの原因は場でも、回復のために要るのは、役割を降りられる場です。

融合が盲点のとき:満たされないまま、だるくなる

融合が盲点の人は、暮らしも付き合いも、きちんと回っていることが多いです。それなのに、毎日がなんとなく乾いている。休みの日も、何をしたいのか分からない。

足りなくなっているのは、本音で話す時間と、夢中になれるものです。疲れとしては、だるさや退屈として出ます。体を休めても、予定を整えても、あまり変わりません。

回復するには

一人と深く話す時間を、先に予定に入れます。誘われるのを待たず、自分から一人に声をかける。人でなくても構いません。一つのテーマや作品に、時間を忘れて入り込む時間を作ります。

融合が優勢のとき:熱が下がったときに、疲れが出る

融合が優勢の人は、夢中になっているあいだ、疲れに気づきにくくなります。深い話を夜中まで続ける。一つのことに入り込んで、食事を忘れる。一体になる時間のあとで、ぐったりしていることに気づきます。

疲れやすいのは、浅い会話が続く場です。当たり障りのない話が長く続くと、楽しめないというより、消耗します。関係やテーマへの熱が下がったときも、急に何もしたくなくなります。

回復しやすいのは、深く話せる一人と過ごすこと、夢中になれることに入り込むことです。ただ、回復することと、時間と体力を使うことが、同じ動きになっています。どこで止めるかを、本人が決めにくくなります。回復のつもりで次に夢中になれるものにのめり込んで、体の手入れがさらに後回しになることがあります。自己保存が盲点だと、止めどころを持ちにくいことと、減っていることに気づきにくいことが重なります。

タイプで、中身が変わる

同じ本能の並びでも、疲れ方の中身は、エニアグラムのタイプで変わります。たとえば、自己保存が盲点のタイプ2とタイプ8を、囚われが出ているときの形で並べてみます。

どちらも、自分の体を後回しにしています。ただ、2は相手の役に立つために、8は弱いところを見せないために、後回しにしていることが多いです。何のために無理をしているかが違うので、周りがかけるとよい言葉も違ってきます。

弱ったときは、いつものやり方に戻っていい

疲れたとき、自己保存が優勢なら家にこもり、社会が優勢なら仲間に会い、融合が優勢なら一人と深く話したり何かに没頭したりして、回復しようとすることが多いです。いつものやり方に戻ることは、回復に必要なことです。

盲点を手当てするのは、そのあとで構いません。人は、一気には変わりません。まずは優勢の本能で回復して、盲点には、小さく、決まった形で手を入れていきます。寝る時間を一つ決める。連絡を一つ返す。一人と話す時間を一つ入れる。

自分で確かめるには

最近いちばん疲れたときを思い出してみてください。そのとき、何が削れていたでしょうか。睡眠や食事か。人とのつながりか。深く話す時間や、夢中になれるものか。

次に、回復したときに何をしていたかを思い出します。家で休んでいたのか、仲間と会っていたのか、誰かと深く話していたのか。

何度も同じところから疲れがたまっているなら、そこが盲点の手がかりになります。回復したときにしていたことは、優勢の手がかりになります。並びを確かめたいときは、本能サブタイプ診断も使ってみてください。本能のシリーズ全体は、本能シリーズのまとめから読めます。

人に当てはめない
寝込んだ人が、自己保存が盲点だとは限りません。疲れの理由は、仕事の量、体調、環境など、人によって違います。この記事は、自分の疲れ方を見直すために使ってください。体の不調が続くときは、本能で説明しようとせず、まず休んでください。
エニアグラムについて詳しく知りたい方へ

自分がどこから疲れて、何で戻るのかを確かめる

セッションでは、日常のエピソードから三つの本能の並びを一緒に確かめます。最近疲れた場面と、回復できた場面の両方を持ってきてもらえると、盲点と優勢の手がかりまで一緒に見られます。

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