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人間関係の中の社会(SO)

大勢の場と二人の場で、なぜ別人になるのか
大勢の場では、よく話し、話題を次々に回し、誰も取り残さないように気を配る。それなのに二人で会うと、落ち着いて話を聞いてくれる。それでも、融合が強い人からは、どこか浅いと感じられることがある。本能のサブタイプで社会(SO)が優勢の人は、三つの本能の中で、集団と一対一の差がいちばん大きく出ます。社会が優勢の人が人間関係で何を見ているのか、場面と時間でどう見え方が変わるのか、ほかの本能の人とどう付き合うとよいのかを見ていきます。人が場面で変わって見える仕組みそのものは、「みんなといるときと別人」と言われる理由にまとめています。

人間関係で見ているもの:場と、つながり

社会が優勢の人が人といるとき、注意は一人ひとりより、人と人の間に向きます。誰と誰がつながっているか。この場はうまく回っているか。自分はここで何を求められているか。誰が輪に入れていないか。

社会は社交的という意味ではありません。人付き合いが多くても少なくても、話好きでも無口でも、人と人の間のことが気になるなら、社会の注意が働いています。

大勢の場:場全体を回す

大勢の場にいると、注意は場全体に広がります。動きとしては、こう出ます。話題を振る。沈黙ができると、すぐに次の話を出す。初めて来た人を、誰かに紹介する。会話の流れが止まらないように、テンポよく相槌を打ち、話を次の人へつなぐ。

場全体を見ているので、一人の話を深く聞くことには、注意があまり向きません。誰かが話している途中でも、場の流れを優先して話をまとめたり、次の話題に移ったりします。周りからは、「話しすぎる」「間をとらない」「こっちの話を聞いていない」と見えることがあります。

話さないタイプの社会もいます。大勢の場でほとんど口を開かずに、誰がどこにいて、場がどう動いているかを静かにつかんでいる人です。話すか黙っているかは人によって違います。共通しているのは、注意が場全体に向いていることです。

二人の場:一対一も、場として見ている

社会が優勢の人は、一対一が苦手なわけではありません。二人になると、相手の話をよく聞き、気配りもして、会話もそつなく続けます。大勢の場で話を回していた人が、二人だと落ち着いた聞き役になることもよくあります。

変わらないのは、注意の向け先です。二人でいても、社会が見ているのは、二人という小さな場です。この関係はうまくいっているか。相手はいまどんな立場にいて、周りとどうつながっているか。自分はこの相手に何を求められているか。話題が共通の知り合いや職場のことになりやすいのも、そのためです。相手を、一人の人間としてより、関係や場の一部として丁寧に扱っています。

大勢の場との違いは、場の大きさです。大勢の場では全員に目を配るので、一人あたりに使える注意が少なくなり、話しすぎる、間をとらない、聞く力が弱くなる、と見えます。二人の場では場が小さくなるので、目の前の一人に注意を使えます。だから二人のときは、よく話を聞いてくれる人に見えます。本人の中では一貫しているのに、外からは別人に見えます。

初対面から長い付き合いまで

社会は、付き合いの長さでは、あまり変わりません。三つの領域で見ると、場を読むことと、場に加わることは、初めての集まりでもすぐに見えます。三つの本能の中で、初対面からいちばん分かりやすい本能です。

社会(SO)が見えやすい場面
場を読む
場に加わる
関係を保つ
上が大勢、下が二人、左が初対面、右が長い付き合い。

時間がたって見えてくるのは、関係を保つことです。何年も連絡を途切れさせない。昔の仲間の集まりに、毎年声をかけている。転職しても、前の職場の人と会い続けている。続けるだけではなく、大事な関係を守るために、別の付き合いから手を引くこともあります。誰とどれくらいの距離でいるかに、いつも気を配っています。初対面の場では、関係を保つ姿は見えません。

長い付き合いになると、関係を保つ動きは、二人の間にも出てきます。誕生日を覚えている。こちらが疎遠になっていた知り合いと、もう一度つないでくれる。大勢の場でテンポよく話していた人が、何年もかけて人との関係を手入れしていたことに、後から気づく人もいます。

ほかの本能の人から、どう見えるか

融合が優勢の人から見ると

いちばん戸惑いやすい組み合わせです。大勢の場では、よく話し、間をあけずに次の話題へ移り、こちらの話を受け止める前に場が進んでいく。この人とは深く話せないな、と思っていたら、二人で会うと、ちゃんと話を聞いてくれる。それでも、どこか浅いと感じる。

融合が優勢の人が求めているのは、肩書きや役割を越えて、自分という人間に近づいてきてもらうことです。社会が優勢の人は、二人でいても、相手を関係や場の一部として丁寧に扱います。丁寧さが、融合の人には、人間としてではなく、場として扱われている、と感じられます。

どちらかが悪いわけではありません。社会の側は、相手を大事にしているつもりで、実際に大事にしています。大事にしている単位が、一人の人間というより、二人の関係や、相手がいる場に近いのです。

自己保存が優勢の人から見ると

大勢の場で、あれだけ人に気を配って、疲れないのだろうかと見えます。予定を入れすぎているように見えることもあります。自己保存が優勢の人にとって、大勢の場は消耗する場所です。社会が優勢の人にとっては、気にかける相手がたくさんいる場所です。

「八方美人」「裏表がある」と言われるとき

大勢の場で誰にでも愛想よくしている姿と、二人のときの姿を、両方知っている人ほど、「裏表がある」と感じることがあります。相手ごとに態度を変えているように見えるからです。本人の中では、その場で必要なことをしているつもりで、使い分けているつもりはないことが多いです。

ぶつかったとき

社会が優勢の人が強く怒るのは、筋の通らないことをされたときです。約束や決まりが破られたとき、仲間への不義理を見たとき。自分のことより、場の公正のために怒る形をとりやすいです。

ぶつかったときは、正面から言い合うより、距離を置くことが多いです。関わりを減らす。連絡の回数が少しずつ減る。気づいたら、集まりに呼ばれなくなっている。静かで、外からは分かりにくい形で関係を切ります。いちばんこたえるのも、同じ形をされたときです。輪に入れてもらえない、情報が回ってこない、いないことにされる。

付き合い方:相手によって変える

本能の組み合わせによって、噛み合いやすいところと、ずれやすいところがあります。相性のよしあしではなく、攻略法として読んでください。相手の本能は決めつけず、相手の振る舞いから当たりをつけるくらいで使います。

社会が優勢の人が、ほかの人と付き合うとき

融合が優勢の相手

  • 大勢の場でその人が話し始めたら、場を回すより、話を最後まで聞く
  • 深い話をしたそうなら、その場で広げず、「今度二人で話そう」と約束だけする
  • 二人で会ったときは、共通の知り合いの話を続けすぎない。相手の立場や役割より、その人自身が何を考え、何を大事にしているかを聞く
  • あなた自身の話もする。相手は、関係の中のあなたより、あなたという人間に近づきたがっている

社会が優勢の相手(同じ本能)

  • 話が噛み合いやすく、共通の知り合いや場の話で盛り上がる
  • 二人とも場を回そうとすると、話す番の取り合いになる。どちらが回すか、役割を分ける
  • 盲点も同じになりやすい。二人とも予定を詰めすぎて、休む時間が抜けていないか、ときどき確かめる

自己保存が優勢の相手

  • 大勢の集まりより、少人数で、落ち着ける店に誘う
  • 終わりの時間を先に決めておく。相手は「いつ帰れるか」を気にしている
  • 誘いを断られても、関係を切りたいわけではないことが多い。体力や予定の問題として受け取る

社会が優勢の人と付き合うとき

融合が強い人から

  • 大勢の場の姿だけで、話を聞かない人だと決めない。二人で会うと、よく聞いてくれる
  • 二人でも浅いと感じるのは、手を抜かれているからではない。相手は、関係や場を通して人を大事にしている
  • もっと深く話したいなら、自分から一歩踏み込んだ話をする。相手が応じてくれることもあれば、場の話に戻ることもある。戻っても、拒まれたわけではない

自己保存が強い人から

  • 誘いの多さに、全部合わせなくていい。行ける集まりを選んで、そう伝える
  • 誘うことで関係を保っている人なので、断るときは、次に会える日を一つ添える

同じ社会でも、タイプで中身が変わる

社会が優勢でも、場で何を気にしているかは、エニアグラムのタイプによって変わります。囚われが強く出ているときには、こんな形で出やすくなります。

タイプ場で気になりやすいこと
1決まりが守られているか。曖昧な運用や、ルールを守らない人
2自分が必要とされているか。人と人をつなぐ中心にいるか
3場で評価されているか。肩書きや実績がどう見えているか
4人の中にいたいのに、人とは違う自分でいたい。その間で揺れる
5「この分野なら分かる」という立場で関われているか
6誰が味方か。この集団や決まりは信頼できるか
7場が楽しいか。仲間同士がつながって盛り上がっているか
8仲間や弱い立場の人が守られているか
9場が揉めていないか。穏やかに保たれているか

同じ「大勢の場で話を回す」でも、評価が気になって回している人と、揉めないように回している人では、二人になったときの出方も違います。本能を見るとどの場面でその人らしさが出るかが分かり、タイプを見ると何を守ろうとしているかが分かります。

自分で気づくには

社会が優勢かもしれないと思う人は、大勢の場と二人の場で、自分が何に注意を向けているかを比べてみてください。大勢の場のあと、誰がどこで誰と話していたかは覚えているのに、一人の話の中身はあまり覚えていない。二人で会うと、話題が共通の知り合いのことばかりになっている。そういうことがあれば、場を見ている自分に気づく手がかりになります。

気づけると、大勢の場でも選べるようになります。場を回すのか、目の前の一人の話を最後まで聞くのか。どちらがよいということではありません。場を回してくれる人がいることで、救われている人もいます。変わるのは、自動でそうなっているのか、自分で選んでそうしているのか、です。

人に当てはめない
大勢の場でよく話す人が、社会が優勢だとは限りません。話す理由は人によって違います。付き合い方の節も、相手の本能を決めるためではなく、相手の振る舞いに合わせて自分の動きを選ぶために使ってください。本能の並びもタイプも、本人が日常の観察で確かめていくものです。
エニアグラムについて詳しく知りたい方へ

大勢の場の自分と、二人の場の自分を並べてみる

セッションでは、日常のエピソードから三つの本能の並びを一緒に確かめます。集団の場面と一対一の場面、両方の話を持ってきてもらえると、見え方の違いまで一緒に見られます。

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