エニアグラム タイプ9同士の相性
エニアグラムのタイプ9(平和を望む人)と、タイプ9(平和を望む人)の組み合わせです。パートナーシップ診断では、それぞれを〈凪の愛〉〈凪の愛〉と呼んでいます。相性の良し悪しではなく、ふたりのあいだで起きやすいすれ違いを、構造で読みます。
凪がふたつ。静かすぎて、誰もいない
いちばん穏やかで、いちばん気づきにくい。
すれ違いの構造
争いのない、とびきり穏やかな組み合わせです。お互いのペースを乱さず、静かな時間を分かち合える。安らぎの質は、どの組み合わせにも負けません。
リスクは、ふたりとも眠ってしまうことです。どちらも自分から起こさない。どちらも希望を言わない。どちらもNOを言わない。「どっちでもいいよ」がふたつ重なると、この家の進路は、外部の力が決めることになる。仕事、親、慣性。
ふたりの人生なのに、ふたりの意志がどこにもない。それでも毎日は、穏やかに過ぎていきます。
同じことでも、出しにくさが違う
ふたりとも、いることで愛する人です。もめごとのない、静かな時間。ただ、どちらも相手に合わせるのが上手なので、「実は、こうしたい」を言う係が、ふたりのどちらにもいません。希望と希望が、どちらも眠ったまま日々が過ぎます。
同じタイプだから、起きること
同じタイプのふたりには、他の組み合わせにない事情があります。
まず、わかりすぎます。相手の出し方も、その裏側も、自分がやっていることだから見える。読み違いは起きにくい代わりに、ごまかしも効きません。相手にイラッとしたら、それはたいてい、自分が自分に禁じているものです。そして、自分が我慢していることを相手が我慢しないとき、裁きはどの組み合わせよりも厳しくなります。
いいこともあります。「自分がされたいことを相手にする」は、ふだんは的を外しがちですが、同じタイプの相手にだけは、そのまま正解になります。手当てが、狙わずに当たる。そのかわり、余裕を失うときも同じ形で同時に崩れやすい。崩れる前のふたりの約束が、他の組み合わせより効きます。
それと、同じタイプでも、ふたりは同じ人ではありません。何を優先して生きているか(本能の配分)やウィングが違うと、同じタイプでも別人に見えます。「同じはずなのに、なんで」と思ったら、違いはタイプの外にあります。
お互い、「どっちでもいいよ」の下に答えがあることを知っています。自分もそうだからです。だから相手の小さな希望の気配には、実は誰よりも気づいています。気づいているのに、聞かない。聞いたら、自分も聞かれるからです。
効く手当ては、二択にして先に選ばせることです。「和食と中華、どっちの気分?」。開いた質問で困らせない聞き方を、自分が一番知っているはずです。相手の答えが出たら、そのまま採用する。ここまで含めて、9の手当てです。
助かっていることと、我慢していること
ふたりが助かっていること
急かされないこと。もめない毎日
ふたりが我慢していること
希望を言う係がいないこと。決めごとが外の都合で決まっていくこと
ふたりの穏やかな毎日は、ふたりの「実はこうしたい」が眠ったまま保たれています。見えない貸し借りを、一度だけテーブルに載せてみてください。
うまくいきやすい形、しんどくなりやすい形
回りやすいのは、外からのきっかけ(定例行事・第三者との約束)がある暮らし。その日は、ふたりとも動けます。
しんどくなりやすいのは、完全にふたりだけで、なりゆきに任せる形。誰も決めない平和が、誰も居ない平和に変わっていきます。
悪気はないのに、わざとだと思われるとき
どちらも「別に、何も言ってないじゃん」を持っています。片方が「どっちでもいいよ」と言う。もう片方も、そう言う。決まらない。ある日、片方の底に溜まっていたものが動いて、「本当は、ずっと嫌だった」が出る。もう片方からすると、黙っていたのに、責められた。「言ってくれなかったのに」。出した側は、揉めごとになったと受け取って、すぐ引っ込める。「別に、何も言ってないじゃん」。言われた側も同じ癖を持っているので、そこで止まります。相手が本当は「言える空気がなかった」と言っていることまでは、自分も同じ空気の中にいたからこそ、見えない。わざとだと思う瞬間が来ないまま、数年分が溜まります。
悪気がないことは、傷つけていない証拠にはなりません。相手が言っているのは、わざとかどうかではなく、どこに当たったかです。「そんなつもりはなかった」は、口に出しても、心の中で確かめるだけでも、相手の話には答えていません。返事は、当たった場所を聞くところから始めてください。
余裕がないときのふたり
言われなかった違和感が、ふたり分、底に溜まっていきます。爆発は稀です。でも起きるときは、どちらかの数年分が一度に動く「突然の退場」の形を取る。
周囲も、もう片方も、何も見えていなかったと言うでしょう。
ほどき方
- 「小さい希望を言う」練習を、ふたりで。今日の夕飯、次の休み。小さいことから意志を家に戻していく。どちらかが言えたら、もう片方はそのまま採用してあげてください。
- ふたりの外に、きっかけをひとつ置いてください(定期的なイベント、第三者との約束)。自分たちだけでは動き出しにくい、と先に認めてしまうのが優しさです。
読む前と、読んだあとに
- ここに書いてあるのは「ふたりがこの型だとしたら」という仮説です。出発点がズレていたら、ここから先は全部ズレます。
- 見ているのは、行動ではなく動機です。同じ振る舞いでも、理由は人によってまるで違います。相手に当てはめて決めつける道具にはしないでください。
- 相性の良し悪しを判定するものではありません。どの組み合わせにも、すれ違いやすい場所と、噛み合う場所があります。