エニアグラム タイプ2同士の相性
エニアグラムのタイプ2(助ける人)と、タイプ2(助ける人)の組み合わせです。パートナーシップ診断では、それぞれを〈献身の愛〉〈献身の愛〉と呼んでいます。相性の良し悪しではなく、ふたりのあいだで起きやすいすれ違いを、構造で読みます。
与える人がふたり、受け取る席がゼロ
優しさの応酬で、誰も本音を言えない。
すれ違いの構造
「人の役に立ちたい」を同じ強さで持つふたり。お互いに与え合えるので、最初はとても心地いい。とびきり気の利く家です。
ただし、ふたりとも、自分のニーズを後回しにする癖があります。だから、誰も自分のことを言えない場ができあがる。「私はいいから」がふたつ重なると、欲しいものの話が、この家から消える。
そして、どちらも心の奥で、気づかれるのを待っています。
同じことでも、出しにくさが違う
ふたりとも、世話を焼き合っています。与える練習はふたり分あるのに、受け取る練習がどちらにもありません。世話が行き交っているのに、「してほしい」が一度も出ないまま回っていきます。
同じタイプだから、起きること
同じタイプのふたりには、他の組み合わせにない事情があります。
まず、わかりすぎます。相手の出し方も、その裏側も、自分がやっていることだから見える。読み違いは起きにくい代わりに、ごまかしも効きません。相手にイラッとしたら、それはたいてい、自分が自分に禁じているものです。そして、自分が我慢していることを相手が我慢しないとき、裁きはどの組み合わせよりも厳しくなります。
いいこともあります。「自分がされたいことを相手にする」は、ふだんは的を外しがちですが、同じタイプの相手にだけは、そのまま正解になります。手当てが、狙わずに当たる。そのかわり、余裕を失うときも同じ形で同時に崩れやすい。崩れる前のふたりの約束が、他の組み合わせより効きます。
それと、同じタイプでも、ふたりは同じ人ではありません。何を優先して生きているか(本能の配分)やウィングが違うと、同じタイプでも別人に見えます。「同じはずなのに、なんで」と思ったら、違いはタイプの外にあります。
お互い、世話の裏側が見えます。「気づいてほしい」も「お返しがほしい」も、自分の中にあるものだから、相手の世話に付いているものまで見える。だからこのふたりの「ありがとう」は、他の組み合わせより正確です。何をしてもらったかだけでなく、どれだけ気を配ったかまで受け取れます。
裁きが厳しくなるのは、相手が先に受け取る側に回った日です。「私だって疲れているのに」。
効く手当ては、世話をさせてあげることです。相手の世話を全部受け取って喜ぶのは、同じ2にとって、最高の世話になります。
助かっていることと、我慢していること
ふたりが助かっていること
尽くされる側でもあること。気配りが行き交うこと
ふたりが我慢していること
受け取りきる前に、お返しを考えてしまうこと。「してほしい」を言う練習がないこと
ふたりの行き届いた毎日は、どちらも受け取る側に座らないことで回っています。見えない貸し借りを、一度だけテーブルに載せてみてください。
うまくいきやすい形、しんどくなりやすい形
回りやすいのは、与える先を分ける形。家庭の外に、それぞれの「世話の現場」(仕事・活動)を持つ。
しんどくなりやすいのは、お互いだけが世話の対象になる密室。譲り合いの渋滞が起きます。
悪気はないのに、わざとだと思われるとき
どちらも「あなたのためにやったのに」を持っています。片方が先回りして整える。もう片方からすると、自分の出番を取られた。出番を取られた側にとって、差し出す側に立てないことは、受け取ってもらえないことと同じです。「してあげたかったのに」。整えた側は、好意を拒まれたと感じる。「あなたのためにやったのに」。同じ言葉を両方が持っているので、ふたりとも被害者になります。相手も「必要とされたい」だけなのだと、自分も同じだからこそ気づきにくいんです。
悪気がないことは、傷つけていない証拠にはなりません。相手が言っているのは、わざとかどうかではなく、どこに当たったかです。「そんなつもりはなかった」は、口に出しても、心の中で確かめるだけでも、相手の話には答えていません。返事は、当たった場所を聞くところから始めてください。
余裕がないときのふたり
余裕を失うと、どちらかの「してあげたのに」が先にあふれます。「私ばっかり」。
もう片方にも、同じだけ積もっています。だから、被害者がふたりの奇妙な戦争になる。
ほどき方
- 交代制にしてください。今週は受け取る係、来週は与える係。ふたりとも与えたい人だから、「受け取ることが相手への贈り物になる」構造にすれば動けます。
- 「私はいいから」を禁句に。代わりに「私は、こうしたい」を週一回。
読む前と、読んだあとに
- ここに書いてあるのは「ふたりがこの型だとしたら」という仮説です。出発点がズレていたら、ここから先は全部ズレます。
- 見ているのは、行動ではなく動機です。同じ振る舞いでも、理由は人によってまるで違います。相手に当てはめて決めつける道具にはしないでください。
- 相性の良し悪しを判定するものではありません。どの組み合わせにも、すれ違いやすい場所と、噛み合う場所があります。