トップエニアグラム解説親との定位

複眼道場

定位は、いまも動いている

職場でも、同じ相手を探している
幼い頃に決めた「誰に何を求めるか」は、そこで終わりません。相手を変えて、いまも動いています。親との定位の続きとして、その定位が日常のどこに出るのかを扱います。タイプを当てるための記事ではありません。

相手は変わるのに、同じことが起きる

定位が動いている場面には、目印があります。「また」が付くことです。相手は毎回違うのに、起きていることが同じ、という形で出ます。

相手が毎回変わっているなら、共通しているのは相手ではありません。持ち込んでいるほうです。

三つの関わり方は、職場でこう出る

定位では、二つの役割(受け止める役と、導く役)への関わり方が三通りに分かれると考えます。結びつき、両価的、欲求不満。この三つは、職場でもそのまま出ます。

受け止める役に対して導く役に対して
結びつき応えることで居場所を作る。求める前に「何に応えればいいか」を先に探す決めてくれる人を見つけ、その枠を守る。枠が外れると落ち着かない
両価的認められたいが、委ねきれない。信頼できそうな相手ほど、一度試す頼りたいが、頼りきると危ないと感じる。距離を測りながら近づく
欲求不満もう求めない。自分で調達する。差し出されると、うれしいより先に居心地が悪い外の基準を当てにしない。自分の中に判断の軸を建てる

囚われている場合ほど、この出方が強く固定されます。どれが良い悪いという話ではなく、当時それで安定したやり方が、そのまま残っているだけです。9タイプとの対応は親との定位にあります。

結論は、自分で証拠を作る

定位が長く続くのには、理由があります。三つの関わり方は、その人が幼い頃に出した結論です。そして結論は、自分に合う証拠だけを集めます。

「求めても来ない」と考えている人は、求めません。求めないので、来ません。やはり来なかった、と確信が強まります。

「応えれば得られる」と考えている人は、応えます。応えるので、応えた分だけ返ってきます。やはりそうだ、となります。応えなくても受け止めてもらえるかどうかは、一度も試されないままです。

「当てにならない」と考えている人は、試します。試された相手は、少し引きます。やはり信じきれなかった、となります。

こう決めている 求めても来ない そう振る舞う だから、求めない そのとおりになる やはり、来ない 確信が強まる 反証が出ないように組まれた実験を、毎日回している状態

意志や努力が足りないから変わらない、という話ではありません。実験の設計のほうが先に決まっています。反証の入る余地が、最初から閉じられています。

求める先は、人とは限らない

役を置く相手は、上司や同僚とは限りません。

会社そのものに、受け止める役を求めている場合があります。理念に共感して入り、自分を丸ごと受け止めてほしいと考える。けれど会社が渡せるのは条件付きの評価なので、無条件のものは最初から入っていません。構造として埋まらないものを、待ち続けることになります。評価面談で、点数より上司の言い方の温度のほうが気になる、という形で出ることもあります。

導く役のほうを、制度や数字や資格に置いている場合もあります。「◯◯によれば」で判断が決まる状態です。理論も置き場所になりうるので、エニアグラムがその対象になることもあります。タイプを自分で決めるという原則を置いているのは、そのためでもあります。

上の位置からは、見えにくい

この関係は、上の位置から見えにくい構造になっています。

理由は単純です。下の位置にいる人は、上の人を読まないと不利になるので、読んでいます。機嫌も、言い方も、今日は聞ける日かどうかも。上の位置にいる人は、下の人を読まなくても仕事が回るので、読みません。同じ関係についての情報量が、上に行くほど減ります。

そして上の位置にいる人は、自分の位置を力として体感しません。実力だと思っているか、役割だと思っているか、たまたまだと思っている。力として感じられないのが、力が働いている状態です。感じられるようなら、すでに揺らいでいます。

守っているつもりの行動が、相手には枠として届くことがあります。この差は体感に乗らないので、下の位置にいる人から言われるまで分かりません。悪意なき加害と同じ場所の話です。

この地図の使い方 ── 三つの注意
①他人の定位を当てにいくために使わない。ここから出るのは「自分は誰に何を求めているか」だけです。②一つの場面で判断しない。「また」が付くかどうかは、複数の職場・複数の相手を並べて初めて見えます。③相手の側の事情もあります。起きていることを、すべて自分の定位で説明しない。

編み直しは、この場面でしか起きない

親との定位の記事は「定位は編み直せる」で終わっています。その編み直しが起きるのは、過去を振り返っている時間ではなく、日常のこういう場面です。

求めないと決めていた人が、一度だけ求めてみる。応えることで居場所を作ってきた人が、応えないまま座っている。試さずに預けてみる。どれも小さくて、その場では何も起きないように見えます。ただ、結論が証拠を作る構造からすると、反証が入るのはこういう場面です。

これは、自分を直す話ではありません。取った居場所は、当時の最適解です。直すのではなく、含んだまま超えるという順番で扱います。そのために、まずどの場面で自動的に出ているのかを見る。順番としては、それが先です。

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