「責任感」は誰のもの?
── 同名異物の4タイプ
責任を感じる「理由」で切る
「この仕事、自分がやらないと」と動くとき、その「やらないと」の中身がタイプごとに違う。
| T | センター | 責任を感じる対象 | 動機の核 |
|---|---|---|---|
| 1 | ガッツ | 正しくあること全般 | 正しくやらねばいけない |
| 2 | ハート | 関わっている人のニーズ | 見捨てられない(自分が必要) |
| 6 | ヘッド | 所属する組織・仲間 | 期待を裏切れない |
| 8 | ガッツ | 自分の領域・陣地 | 領域を守る(侵されたくない) |
T1にとっての責任は「正しくやらねばいけない」。タスクの範囲や役割定義は二の次で、そこに不正や杜撰があるなら自分がやる。誰も頼んでいなくても、自分の基準が「放っておけない」と言うから動く。
責任感が爆発しやすいのは、「誰もやらない=自分がやるしかない」状況。身体が動いて、後から「なぜ自分が?」と気づく。
T2の責任は「あの人を見捨てられない」。関わった相手のニーズを察知すると、自分のリソースを先に差し出してしまう。本人は「人のため」と感じているが、動機の奥には「必要とされる自分でいたい」が潜んでいる。
タスクの責任というより、関係の責任。相手が困っている限り、自分の予定を崩してでも動く。
T6の責任は「期待を裏切れない」。所属するチーム・組織・仲間から期待された役割を、全力で果たそうとする。期待値を読み、それに応える形で責任を発動する。
一人で動くより、「自分は◯◯の一員として」という立場が発動条件。自分が裏切ることへの恐れが動機の核。
T8の責任は「ここは自分のテリトリーだから自分が守る」。自分の手が及ぶ範囲の人や仕事は、自分が責任を持つ。弱い立場の者は必ず守る。
ただし「頼まれた責任」より「自分で引き受けた責任」のほうが強い。外から「あなたの責任だ」と押し付けられると反発するが、自分で「これは自分が持つ」と決めたものは徹底する。
見分けるヒント ── 責任を放棄するとき
各タイプの違いは、「責任を放棄する場面」に現れる。
- T1: 自分の基準が満たされない場(雑な仕事を要求される)では放棄しやすい。「正しくできないならやらない」
- T2: 相手から感謝・承認が返ってこない関係では放棄する。「必要とされていないなら離れる」
- T6: 所属する組織・仲間への信頼が崩れると、急に動かなくなる。「裏切られたから自分も降りる」
- T8: 自分の領域ではない、主導権を持てない場所では関わらない。「口出しされる立場では動かない」
責任感は褒め言葉として使われるが、裏返すと「自分のこだわりが満たされない場では動かない」という選択性でもある。責任を果たす動機を見ると、その選択性のパターンが見えてくる。
タイプ判定への応用
自分が「責任感がある」と言われたとき、何に対して責任を感じているかを内側で観察する。
- 正しさに対して → T1
- 関わっている人に対して → T2
- 所属する仲間や組織に対して → T6
- 自分のテリトリーに対して → T8
表面の「真面目にやる」「しっかりやる」は似て見えても、動機の軸が違えばタイプも違う。